最終更新日: 2024年11月29日

住宅ローン選びは人生の中でも大きなお金が動く一大イベントです。本記事では、「【フラット35】」という住宅ローンの利用について、初心者や知識のない方にもわかりやすくご紹介し、どのような人に向いているかを解説します。

【フラット35】の特徴や注意点を理解して住宅購入において後悔のない選択ができるよう、ぜひご一読ください。

【目次】
【フラット35】に向いている人はどんな人?
【フラット35】の特徴
【フラット35】を利用する際の注意点とは
【フラット35】に向いている人の特徴を知り、後悔のない選択を!

【フラット35】に向いている人はどんな人?

住宅ローンの選択肢の中の一つである「【フラット35】」は、どのような人に向いているのでしょうか。契約後に後悔しないために、事前にしっかりと情報を集め、下調べをしておきましょう。以下では【フラット35】の利用に適していると言われる人の特徴を紹介していきます。

団体信用生命保険に加入できない人

一般的な住宅ローンでは団体信用生命保険の加入が必須ですが、【フラット35】では任意です。健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない方は、民間の金融機関の住宅ローンを利用できません。しかし、【フラット35】であれば団体信用生命保険に加入できなくても契約できる可能性があります。

金利の変動が不安な人

金利の変動は予測が難しく、家計の安定性を重視する方にとって変動金利は不安材料かもしれません。【フラット35】では全期間の金利が固定されるため、将来の返済額が確定でき、生活設計がしやすくなります。

勤続年数が短い人、転職したばかりの人

【フラット35】は勤続年数が短い人や、転職したばかりの人でも申し込みが可能です。ほとんどの民間の住宅ローンの審査項目に勤続年数がありますが、【フラット35】では勤続年数の条件がありません。転職を考えている人や新しい仕事に就いた人も、収入の条件をクリアできれば申し込めます。

これらの特徴を踏まえると、【フラット35】は民間の住宅ローンの利用が難しい人でも利用しやすいローン制度といえるでしょう。

【フラット35】の特徴

【フラット35】は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱う全期間固定金利型住宅ローンです。

【フラット35】の利用条件

【フラット35】の主な利用条件は以下のとおりです。

・申込時の年齢が満70歳未満であること
・借入期間が15年以上35年以下であること
・借入額が100万円以上8,000万円以下であること
・借入対象となる住宅が、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅であること

申込者の年収に占める年間合計返済額の割合は、以下の条件を満たす必要があります。ここでの返済額は住宅ローン以外の借入に対する返済も含みます。

・年収400万円未満:30%以下
・年収400万円以上:35%以下

また、借入対象となる住宅には、以下の面積基準があります。

・一戸建て、連続建ておよび重ね建て:70㎡以上
・共同建て(マンションなど):30㎡以上

【フラット35】のメリット

【フラット35】には以下のようなメリットがあります。これらの特徴を理解し、自身の状況や将来の返済計画に合わせて適切な選択をしましょう。

固定金利が魅力的: 【フラット35】は、全期間固定金利が適用されるため、金利の変動リスクを気にする必要がありません。これにより、支払額の予測がしやすく、家計の安定した計画が立てられます。

幅広い用途に利用可能: 【フラット35】は新築住宅や中古住宅に加えて、一部のリフォームやリノベーションにも利用可能です。ただし、一定の基準を満たす必要があります。

繰り上げ返済手数料が不要:【フラット35】では繰り上げ返済手数料がかかりません。インターネットを利用する場合、10万円から繰り上げ返済できます。少額の余裕資金があればこまめに繰り上げ返済を行い、利息の支払いを減らせる点は大きなメリットです。

【フラット35】のデメリットも踏まえて比較検討したい方は以下の記事もぜひご覧ください。

【関連記事】【フラット35】のメリットとデメリットとは?損しないためのポイントも解説

【フラット35】を利用する際の注意点とは

【フラット35】を検討する際には、以下の注意点を押さえておきましょう。

金利が比較的高い: 【フラット35】は全期間において固定金利が適用されるため、現在の水準の変動金利型と比べると金利が高く設定されます。また、頭金なしで利用できますが、その際には頭金がある場合よりも金利は上乗せされます。団体信用生命保険に加入する場合にも費用が金利に上乗せされるため、設定される金利が上がります。

融資対象となる住宅の条件が厳しい: 【フラット35】においては物件に対する基準が明確に定められています。そのため、その基準を満たしているかどうかを所定の適合証明検査機関に検査してもらい、適合証明書を取得する必要があります。中古物件では壊れている箇所を直すための費用がかかることもあるため、注意が必要です。

繰り上げ返済の最低金額が高い: 【フラット35】で繰り上げ返済を行いたい場合、手続きにかかる手数料が無料である点は魅力です。ただし、繰り上げ返済ができる最低金額が他の住宅ローンと比較して高く設定されています。繰り上げ返済の最低金額は金融機関ごとに異なり、1万円以上としているところ一般的です。しかし、【フラット35】では窓口の手続きの場合には100万円からで、インターネットを利用する手続きの場合には10万円からとなっています。

また、その他にも【フラット35】が使えない物件もあります。詳細は以下の記事をご参照ください。

【関連記事】【フラット35】を使えない物件がある?利用するための条件とは

【フラット35】に向いている人の特徴を知り、後悔のない選択を!

【フラット35】は住宅購入を検討する際の一つの選択肢として注目される住宅ローンです。借入する全期間にわたって適用される固定金利は多くの人々に利点をもたらします。

一方で、固定金利ゆえに金利が高く設定される点や繰り上げ返済の最低金額などのデメリットについてしっかりと理解し、あなたのライフスタイルや将来の予定に合わせて【フラット35】の利用を検討しましょう。

後悔のない選択をするためには、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。住宅購入へ向けて最善のステップを踏むためにも、ぜひご検討ください。

投稿者

  • 松田聡子

    群馬FP事務所代表。
    日本FP協会認定CFPR・DCアドバイザー・証券外務員2種。
    ITエンジニア、国内生命保険会社を経て2009年に独立系FPとして開業。
    「住宅ローンを無事に返済しきるには健全な計画が肝心」をモットーに住宅ローン相談にも対応中。

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