フラット35地域連携型(子育て支援)の概要や利用条件を解説!

 

2022からフラット35の金利は上昇傾向にあるため、長期固定金利を希望していて少しでも低い金利で借りたいと気になっている人も多いでしょう。子育て世帯であれば「フラット35地域連携型(子育て支援)」という金利引き下げの制度を利用できる可能性があります。

本記事ではフラット35地域連携型(子育て支援)の概要や利用条件、手続きなどについて解説します。子育て中でマイホーム購入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

【目次】
フラット35の地域連携型(子育て支援)とは
フラット35地域連携型(子育て支援)を利用した場合の返済額
フラット35地域連携型(子育て支援)を利用する流れ
フラット35Sとの併用もおすすめ
フラット35地域連携型(子育て支援)は条件をクリアしてしまえばかなりお得!

フラット35の地域連携型(子育て支援)とは


フラット35は、住宅金融支援機構が民間の金融機関を通じて提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。返済中に金利が上昇しても返済額が変わらないので、長期に渡る返済でも安心して利用できます。

フラット35にはいくつかの商品ラインナップやオプション・特約があり、フラット35地域連携型(子育て支援)もその1つです。

フラット35地域連携型(子育て支援)の概要

「フラット35地域連携型(子育て支援)」とは、子育て支援や地域活性化に積極的な地方自治体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得に対する地方自治体による補助金などと併せて、フラット35の金利を一定期間引き下げる制度です。

適用期間と適用金利は以下のとおりです。

【フラット35地域連携型(子育て支援)】

適用期間 当初10年間
優遇金利 フラット35の金利から▲0.25

 

フラット35地域連携型には予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。受付終了日は終了する約3週間前までに住宅金融支援機構のサイトで公表されます。利用を検討している人は、見逃さないようにチェックしましょう。

フラット35地域連携型(子育て支援)の利用条件

フラット35地域連携型(子育て支援)の基本的な利用条件は、以下のいずれかに当てはまる必要があります。

  • 若年子育て世帯が住宅を取得する場合
  • 若年子育て世帯と親世帯が同居、または近居するために住宅を取得する場合

 

前提として物件所在地の地方自治体が住宅支援機構と連携する事業を実施しており、事業の補助金交付などの対象者である場合にのみ利用可能です。そのため、すべての子育て世帯が利用できる制度ではない点に注意が必要です。

住宅支援機構と連携している自治体は、住宅金融支援機構のサイトで確認できます。制度が利用できる対象者の条件は各自治体のサイトで確認してください。

 

現在、以下のような自治体で住宅支援機構と連携する事業を実施しています。

東京都台東区 住まいの共同化と安心建替え支援制度
東京都墨田区 すみだ住宅取得利子補助制度
神奈川県横浜市 省エネ住宅住替え補助制度
神奈川県横須賀市 子育てファミリー等応援住宅バンク補助金
埼玉県春日部市 春日部市空き家リノベーションまちづくり 事業助成制度

春日部市ふれあい家族住宅購入奨励事業

埼玉県狭山市 狭山市親元同居・近居⽀援補助⾦制度
埼玉県鴻巣市 鴻巣市三世代住宅取得補助⾦
埼玉県蕨市 蕨市三世代ふれあい家族住宅取得補助⾦

 

フラット35地域連携型(子育て支援)を利用した場合の返済額


フラット35地域連携型(子育て支援)を利用した場合と通常のフラット35では、返済額や支払利息はどのくらい差があるでしょうか。以下のような条件で比較してみます。

【借入条件】

借入金額:3,000万円

借入期間:30

返済方式:元利均等返済(ボーナス払いなし)

金利:1.889%

  フラット35 フラット35地域連携型(子育て支援)
金利 全期間:1.889% 当初10年間:1.639%

11年目以降:1.889%

毎月の返済額 全期間:109,228 当初10年間:105,548

11年目以降:108,069

総返済額 3,9321,862  3,8602,465 
支払利息 9321,862  8602,465 
差額 719,397

 

この例ではフラット35地域連携型(子育て支援)は通常のフラット35より、総支払額で約72万円も安くなることがわかりました。また、毎月の返済額も3,680円安くなります。

フラット35地域連携型(子育て支援)を利用する流れ


フラット35地域連携型(子育て支援)の制度を利用する場合、フラット35の取り扱い金融機関と地方自治体に申請を行う必要があります。制度が利用できるかどうかや利用条件などは地方自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。

 

主な手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 金融機関にて事前審査(事前審査がない場合もあり)
  2. 1と同じタイミングで地方自治体に「フラット35地域連携型利用対象証明書」の申請
  3. 審査結果通知・借入申込
  4. 「フラット35地域連携型利用対象証明書」を金融機関に提出
  5. 借入の契約
  6. 入居

 

住宅支援機構と連携している自治体の事業からの補助金などは、自治体の制度に基づいて実施されるため、入居後になる場合もあります。

フラット35Sとの併用もおすすめ!


フラット35地域連携型(子育て支援)は「フラット35S」などの金利引き下げメニューと併用できます。

「フラット35S」とは、フラット35の基準よりさらに省エネルギー性や耐震性などが高いと認められた住宅に適用される金利です。

住宅がフラット35Sの対象となる場合、フラット35地域連携型(子育て支援)との併用例を通常のフラット35と比較してみましょう。

 

下記内容は比較例を算出する際の前提条件です。

【借入条件】

借入金額:3,000万円

借入期間:30

返済方式:元利均等返済(ボーナス払いなし)

金利:1.889%

「フラット35SBプラン」と併用した場合

「フラット35SB」プランは、当初5年間の金利が年0.25%引き下げられるタイプです。通常のフラット35の返済総額との差は約111万円です。

  フラット35 フラット35地域連携型(子育て支援)+フラット35S Bプラン
金利 全期間:1.889% 当初5年間:1.389%

6年目~10年目:1.639%

11年目以降:1.889%

毎月の返済額 全期間:109,228 当初10年間:101,945

6年目~10年目:104,982

11年目以降:107,489

総返済額 3,9321,862  3,8213,066
支払利息 9321,862  8213,066
差額 1108,796

 

「フラット35SAプラン」と併用した場合

「フラット35SA」プランは、当初10年間の金利が年0.25%引き下げられるタイプです。通常のフラット35の返済総額との差は約143万円です。フラット35Sの物件は物件価格も一般住宅より高額になる傾向がありますが、金利優遇は大きな助けになるでしょう。

  フラット35 フラット35地域連携型(子育て支援)+フラット35S Bプラン
金利 全期間:1.889% 当初10年間:1.389%

11年目以降:1.889%

毎月の返済額 全期間:109,228 当初10年間:101,945

11年目以降:106,896

総返済額 3,9321,862  3,7888,447
支払利息 9321,862  7888,447
差額 1433,415

 

フラット35の地域連携型(子育て支援)は条件をクリアしてしまえばかなりお得!


フラット35地域連携型(子育て支援)は利用できる自治体が限られており、誰もが利用できるわけではありません。しかし、条件が合えば当初10年間の金利が0.25%引き下げられる点は魅力です。

借入期間が長い人は全期間固定のフラット35が安心です。フラット35で利用できる金利優遇はもれなく利用しましょう。

 

監修

松田 聡子(まつだ さとこ)/ファイナンシャルプランナー

群馬FP事務所代表。日本FP協会認定CFP®・DCアドバイザー・証券外務員2種。ITエンジニア、国内生命保険会社を経て2009年に独立系FPとして開業。
「住宅ローンを無事に返済しきるには健全な計画が肝心」をモットーに住宅ローン相談にも対応中。

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