住宅ローンの返済中に住宅に何かしらの修繕が必要となり、リフォームが必要になるケースもあります。その場合、住宅ローンに上乗せしてリフォームローンを組む方法だけでなく、リフォーム資金を含めて住宅ローンを借り換えるという選択肢も考えられます。
この記事では、フォームローンと住宅ローンの違い、リフォーム資金を加えて住宅ローンを借り換えるメリットなどを解説します。
【目次】
リフォーム時に住宅ローンを借り換えるメリット
リフォーム時に住宅ローンを借り換えるデメリット
住宅ローンとリフォームローンの違い
借り換える前にかかるコストを計算しよう
リフォーム時に住宅ローンを借り換えるメリット
リフォーム時に住宅ローンを借り換えることには、次のメリットがあります。
- リフォーム費用を上乗せしてローンを一本化できる
- 金利が下がる可能性がある
それぞれのメリットについて、以下で解説していきます。
リフォーム費用を上乗せしてローンを一本化できる
住宅ローンの返済中にリフォームを行うには、通常であれば費用を実費で支払うか、金融機関等からの借り入れが必要です。
しかし一部の金融機関では、リフォーム費用を住宅ローンに上乗せできるオプションがあります。これにより、別途リフォームローンを組む必要がなくなり、住宅ローンの借り換えだけでリフォーム資金をまかなうことができます。
この借り換えにより、リフォーム費用も含めてローンを一本化できるため、手続きや管理も簡単になります。
ただし、金融機関によって異なる条件がある点に注意が必要です。利用方法や詳細は各金融機関の公式ウェブサイトや相談窓口にて確認しましょう。
金利が下がる可能性がある
住宅ローンを借り換える際のもう一つのメリットは、現在返済している借入れ内容よりも借り換えた方が金利を低く設定できる可能性があることです。特に、現在フラット35などの固定金利からの借り換えでは、借り換え前より低い金利での借り入れが期待できます。
フラット35では長期間にわたって金利が変動しないため、変動金利よりもベースの金利が高く設定されています。フラット35から住宅ローンに借り換えることで、金利を下げることができる可能性があります。
今までより低い金利で借り換えができれば、月々の返済額が軽減され、総返済額が少なくなるため、返済の負担を軽減できます。
リフォーム時に住宅ローンを借り換えるデメリット
住宅ローンを借り換える際には、以下のようなデメリットも考慮しなければなりません。
- 借り換えには費用がかかる
- 審査が厳しくなる可能性がある
これらのデメリットは、個々の状況や金融機関の方針によって借り換えに必要な金額や、審査基準などが異なる場合があります。借り換えを検討する際には、具体的な費用や審査条件について詳しく調べ、将来的な負担やリスクをしっかりと把握することが重要です。
借り換えには費用がかかる
住宅ローンの借り換えを行う際には、主に以下のような費用が発生します。
- 新たな抵当権設定に伴う登記費用
- 借り換え手数料
- 鑑定・査定費用
抵当権の登記費用や借り換え手数料は、一般的に数万円から数十万円程度かかります。鑑定・査定費用は金融機関や鑑定業者によって異なるため、事前に調べておくとよいでしょう。
借り換えにはこれらの費用が発生することを念頭に置き、借り換え時の予算や将来的な負担額の軽減を考慮しながら計画を立てましょう。
審査が厳しくなる可能性がある
住宅ローンの借り換えにリフォーム資金を上乗せする場合、総借入額が増えてしまうことで、個人の返済能力や滞納歴によっては審査が厳しくなるおそれがあります。そのため、必ずしも申し込みをすれば借り換えができるとは限りません。
一般的に審査落ちのリスクが高いのは住宅ローンの残債が多い人や、過去に延滞歴がある人などです。借り換えを検討する場合には金融機関や専門家と相談し、詳細な審査条件やリスクを知っておきましょう。
住宅ローンとリフォームローンの違い
「リフォームローン」とは、既存住宅の改修やリフォームのために利用されるローンです。「リフォームするなら借り換えではなくリフォームローンがいいのでは?」と考える人もいるでしょうが、この2つのローンはそれぞれ金利や特徴が異なります。
それぞれの違いについて、以下の表にまとめました。
【住宅ローン】
用途対象 | 新築住宅や中古住宅の購入 |
融資金額 | 購入する物件の評価や担保価値に基づいて融資される |
返済期間 | 長期間での返済が可能 |
金利 | 比較的金利が低く、金利タイプも選べる |
【リフォームローン】
用途対象 | 既存の住宅の改修やリフォーム |
融資金額 | 改修やリフォームに必要な費用に応じて融資される(住宅ローンより少額な場合が多い) |
返済期間 | 短期間で設定されることが多い |
金利 | 住宅ローンよりも金利が高め |
住宅の新規購入の場合は住宅ローンを、既存住宅の改修やリフォームの場合はリフォームローンを選択することが一般的です。しかし、リフォームの費用が高額になる場合、金融機関によっては住宅ローンを利用できる場合があります。
また、中古住宅を購入しリフォームしたい場合は、リフォーム一体型の住宅ローンも選択肢の一つです。
借り換える前にかかるコストを計算しよう
リフォーム時に住宅ローンを借り換える際には、リフォーム費用の上乗せだけでなく、金利や初期費用などのさまざまなコストを確認しましょう。
まず、借り換え先の金利と現行の住宅ローンの金利を比較し、金利の差を確認します。金利が下がる場合、返済額の削減が期待できます。
さらに、借り換えの初期費用には契約手数料や抵当権設定費用などが該当しますので、これらを計算します。借り換えによる総費用を見積もり、借り換えのメリットと費用のバランスを判断しましょう。
借り換えについて不明な点や不安に思うことがあれば、金融機関や専門家へ相談しましょう。
松田 聡子(まつだ さとこ)/ファイナンシャルプランナー
群馬FP事務所代表。日本FP協会認定CFP®・DCアドバイザー・証券外務員2種。ITエンジニア、国内生命保険会社を経て2009年に独立系FPとして開業。
「住宅ローンを無事に返済しきるには健全な計画が肝心」をモットーに住宅ローン相談にも対応中。